今後の見通し多能性幹細胞由来ヒトオルガノイドの利用■研究ポリシー研究は思うような結果が出ることはむしろ稀で、仮説と異なるデータになることが多いものです。自身の仮説や考えだけに固執することなく、得られた実験データの解釈に対して徹底的に論理的であることを重視しています。ただ人間の思考には限界があるものなので時には感性に任せてみることも大事に思います。41究など様々領域で有用なツールとして利用しています。我々はこれまでにヒト多能性幹細胞から2次元の眼様オルガノイドの作製に成功しました1)。このオルガノイドには角膜をはじめとして様々な眼細胞原基が、発生を高度に模倣した規則正しい様式で誘導されます(FGURE 1)。この中でも角膜については、この眼様オルガノイドから作製した、ヒトiPS細胞由来角膜上皮組織の移植に世界で初めて成功しました(FIGURE 2)。現在ではより複雑な構造を有する3次元オルガノイドを作製にも成功しています(FIGURE 3)。オルガノイド技術により、これまでに研究が困難であったヒト組織の解析を行うことが可能となり、新たなヒト眼球発生機構の発見や培養法の制御による特定の細胞系譜を選択的誘導が可能となりました。今後もこのヒトオルガノイド作製技術を、再生医療、発生、創薬、病態解明研究に利用することで、新たな学術的発見とそれに基づく新しい医療技術の開発に取り組みます。FIGURE 1:2次元眼様オルガノイドFIGURE 2:眼様オルガノイドより作製した角膜上皮組織FIGURE 3:3次元涙腺オルガノイドiFremed Integrated Frontier Research for Medical Science Division
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