今後の見通しセマフォリンによる神経-免疫-代謝連関の解明を目指して■研究ポリシー研究ライフのスタートはロイコトリエン受容体のリン酸化修飾部位の決定、リン酸化パターンの解析およびリン酸化修飾の生理的機能解明でした3)。分子生物学的な手技を学ぶ一方で、オミクス解析をはじめとする技術革新を目の当たりにし、複雑な生命現象の中からコアとなる情報を抽出、介入することが今後の生命科学の発展に必須であると強く感じました。新しい技術も取り入れながら神経-免疫-代謝連関のコアを探し当てることで各種病態の解明、治療開発に繋がればと思います。39するとともに、その制御機構の破綻により生じる疾患の診断及び治療の確立に繋がる成果を目指しています。私はこれまでに神経ガイダンス因子であるセマフォリン6D(Sema6D)が細胞内脂質代謝制御を介して抑制性マクロファージ分化を促進するという、「細胞レベルの神経-免疫-代謝連関」を明らかにしています2)(FIGURE 1)。この知見をもとに、脳、肺、骨髄、脂肪組織などの臓器における「組織レベルの神経-免疫-代謝連関」におけるセマフォリン分子群の機能を探索し、各種臓器において神経系、免疫系、代謝系が相互に連関しながら恒常性を維持する分子メカニズムを解明するとともに、その破綻により生じる各種疾患の病態を臨床検体・情報も組み合わせながら明らかにし、これら疾患の診断・治療法の確立に繋がる成果を目指します(FIGURE 2)。FIGURE 1:Sema6Dの細胞外領域は免疫系と神経系で作用し、細胞内領域は脂質代謝を制御する2)FIGURE 2:セマフォリン分子群を「窓」として組織レベルの神経-免疫-代謝連関を理解するiFremed Integrated Frontier Research for Medical Science Division
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