若手研究者PROFILE 2023_11
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研究内容生体深部での光線力学療法(PDT: Photodynamic therapy)を実現する革新的な手法『光捕集補助型光線力学療法 (LH-PDT: Light-harvesting assisted PDT)』を確立する30がん疾患・病態先端医療イノベーションKEYWORD業績1. Shigemitsu H, Tani Y, Tamemoto T, Mori T, Xinxi L, Osakada Y, Fujitsuka M, Kida T. Aggregation-induced photocatalytic activity and efficient photocatalytic hydrogen evolution of amphiphilic rhodamines in water. Chem. Sci. 11, 11843–11848. 2020.2. Shigemitsu H, Tamemoto T, Ohkubo K, Mori T, Osakada Y, Fujitsuka M, Kida T. A cyanine dye based supramolecular photosensitizer enabling visible-light-driven organic reaction in water. Chem. Commun. 57, 11217–11220. 2021.本研究では、光吸収およびエネルギー集約が可能な『光捕集超分子』を創出し、生体深部での光線力学療法(PDT: Photodynamic therapy)を実現する革新的な手法である 『光捕集補助型光線力学療法 (LH-PDT)』 の開発を目的としています(FIGURE 1)。光線力学療法 (PDT) は、光を特定の化合物に照射することで発生する活性酸素を利用して病巣を破壊する治療法です。PDTは外科的手術なしに、増感剤の投与と光照射によって病巣を選択的に治療可能であり、患者への負担が少ない治療法として注目を集めています。PDTは皮膚癌などの治療に利用され、良好な効果を示してきましたが、光は生体を透過しにくいため、生体表層の疾病のみに限られています。本研究で開発するLH-PDTは、光を高効率で捕集・集約することで、超高感度な光応答を実現し、生体深部での光治療を実現します。これまでに光捕集分子であるローダミンやシアニン分子が自己集合した分子が光増感能を獲得することを見出重光 孟SHIGEMITSU Hajime工学研究科 分子創成化学講師researchmaphttps://researchmap.jp/hajime_shigemitsu生体深部における光線力学療法を指向した超分子集合体の開発

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