AB今後の見通し網膜血管を作る細胞やそのメカニズムが徐々に明らかになっており、今後の展開に非常に期待がもてる■研究ポリシー眼科医として、患者さんの診療や手術を行っています。視覚、特に網膜という、中枢神経系の一部であり、光刺激を脳へ伝達する部位に興味を持っています。網膜は代謝量が多く、血流も豊富であるため、血管の異常に関連して起こる疾患が多いのが特徴です。そのような網膜血管の異常によっておこる病気の治療法開発を研究のゴールとしています。25以前にヒト由来ECFCによる網膜症の治療効果を報告しましたが4)(FIGURE 2A)、現在ヒト由来ECFCのパラクラインメカニズム、特にエクソソームに着目した研究を行っています(FIGURE 2B)。現在マウスの網膜血管に組織常在性のECFCが存在するかを検討しており、その同定を試みています。そのために、トランスジェニックマウスを用いた解析やシングルセル解析を使って検討を進めています。これらの検討によって明らかとなったECFCを虚血となった網膜に誘導できるのかどうか、臨床へどこまで近づけることができるのかが今後の研究のカギとなると考えています。FIGURE 1:網膜の血管の異常で起こる病気は多く、世界的な問題となっている。FIGURE 2:A) ヒト由来ECFCはマウスモデルにおいて治療効果があることがわかった。B) ヒト由来ECFCはエクソソームを分泌し、細胞間相互作用を担っている可能性がある。iFremed Integrated Frontier Research for Medical Science Division眼における血管内皮幹細胞研究の意義
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