若手研究者PROFILE 2022
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研究内容大規模ヒトゲノム情報を活用することで、疾患感受性遺伝子を同定する30情報科学・技術分子・細胞機能・生命情報KEYWORD出典1. GWAS Catalog. The European Bioinformatics Institute, Hinxton. https://www.ebi.ac.uk/gwas/業績2. Sonehara K, & Okada Y. Obelisc: an identical-by-descent mapping tool based on SNP streak. Bioinformatics. 36(24), 5567-5570. 2020.3. COVID-19 Host Genetics Initiative. Mapping the human genetic architecture of COVID-19. Nature. 600(7889):472-477. 2021.4. Sonehara K, Sakaue S, Maeda Y, Hirata J, Kishikawa T, Yamamoto K, Matsuoka H, Yoshimura M, Nii T, Ohshima S, Kumanogoh A, & Okada Y. Genetic architecture of microRNA expression and its link to complex diseases in the Japanese population. Hum Mol Genet. ddab361. 2021.身長や顔の形といった個性(形質)に関して、子供が親に似ることは広く知られており、この現象は遺伝と呼ばれます。病気のかかりやすさも形質の一種であり、程度の差はあれ親から子供に遺伝します。現代の生物学では、ゲノムDNAという物質的な遺伝子の担体が親から子供に受け継がれることが、この遺伝現象の主なメカニズムであることが分かっています(FIGURE 1)。私はこのゲノムDNAの個人間での多様性と、病気のかかりやすさの多様性との関係を、連鎖解析2)やゲノムワイド関連解析3)といった解析手法を用いて明らかにする遺伝統計学を研究しています。遺伝統計学が対象とする形質は多岐にわたります。一例として、私もデータ解析の一部に従事した、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する国際共同ゲノム研究を紹介します3)。この研究では、世界全体でおよそ5万人のCOVID-19感染者と200万人の健康な方のゲノムを集めて解析を行った結果、COVID-19の発症または重曽根原 究人SONEHARA Kyuto医学系研究科 遺伝統計学大学院生疾患ゲノム情報を柱に据えたバイオインフォマティクス解析により、病気の背後に潜むメカニズムを解明する

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